02.介護保険を持続発展させる1000万人の輪の動き

介護1000万人の輪 「介護保険の未来を語る」公開政策討論会 

Ts3i00050001 昨日5月13日の18時半から永田町にある星陵会館で、各政党から介護保険制度の政策についての公開討論会が開催されました。

生テレビタックルを見ているようで、介護は深刻な問題ではあるものの、各議員ともユーモアも交えてのおもしろい討論会になりました。

まず、各党から介護保険についての総論について話してもらい、次に1000万人の輪の共同代表大阪市立大学大学院教授である白澤正和さんと認知症の人と家族の会の高見国生さんからの質問に答える形での討論となりました。

 白澤さんの質問は、主に介護保険制度の財源について、国見さんからの質問は今年4月から始まった介護認定にからんで、今後の認定の問題についてでした。

 介護保険制度の財源については、どの政党も、国庫負担割合を上げるという回答が出ました。ただし自民党からは税財源を確保してからという但し書きがついていました。

 認定に関しては、4月からの新システムについては野党側は即凍結・廃止すべき。与党からは今検証しているからそれを見てからという発言でした。野党の議員の多くは、将来的には要介護認定そのものをなくして、今の要介護認定にかかる費用もサービス提供に廻すべきだという意見を持っています。必要なのはランクの決定ではなく、介護が必要な人に必要なサービスをどう提供することかで、それはケアマネジャーの独立性を高めれば認定などしなくても、充分できるというものです。

それに対し、与党の議員からは「ケアマネジャーは公務員ではないので、事業者側にたったサービス提供をしているものもいるから」という発言がありました。医師出身である野党の3人の議員からは、「医者も公務員でないが、患者に必要な医療を提供する権限を持っている。それがケアマネジャーにはできないというのはおかしい。検証できるシステムをつくれば、問題ない」という発言に、会場から拍手がおきました。

参加した国会議員は、自民党社会保障制度調査会介護委員会委員長の田村憲久衆議院議員、公明党社会保障制度調査会長の福島豊衆議院議員、民主党ネクストキャビネットの厚生労働副大臣の山ノ井和則衆議院議員、共産党政策委員長の小池晃参議院議員、社民党政策審議会会長 阿部知子衆議院議員、国民新党副代表・政策会長 森田高参議院議員。(森田議員と阿部知子さんは写真に入りませんでした)

このうち阿部知子さんは神奈川県選出の国会議員で、元お医者さん。他にも共産党の小池さんや国民新党の森田さんも、元お医者さんで、3人がそろって「医者は患者の生活なんかみれない。認定に医師の意見書を重んじるなんて無理」と発言していたことが、4月の新システムの認定がいかに問題のあるものかと改めて思いました。

|

【公開政策討論会のご案内】

  
テーマ:介護保険の未来を語る!!

内容:政党(自民党、公明党、民主党、共産党、社民党、国民新党
   のご参加を予定)代表と「介護1000万人の輪」3共同代表との
   政策討論会

日時:2009年5月13日(水) 18:30 ~ 20:00

会場:星陵会館ホール(定員:400人)
   〒100-0014 東京都千代田区永田町2-16-2
   Tel:03-3581-5650
   地図URL:http://www.seiryokai.org/kaikan.html
   地下鉄有楽町線、半蔵門線、南北線 永田町駅下車
   6番出口徒歩3分
   国会議事堂前駅、溜池山王駅、赤坂見附駅からも5~7分

主催:介護保険を持続・発展させる1000万人の輪

入場無料  どなたでもどうぞ

参加のお申し込みは、「介護1000万人の輪」事務局へ FAX:03-6809-1093                     

    E-mail:kaigo@1000man-wa.net

|

介護保険を持続発展させる1000万人の輪が政党に公開質問状

                                                         2009年4月16日
自由民主党、公明党、民主党、共産党、社民党、国民新党
各政党政策責任者および衆・参 厚生労働委員会委員 各位

                                  介護保険を持続・発展させる1000万人の輪
                                                     共同代表 樋口恵子
                                                     共同代表 白澤政和
                                                     共同代表 高見国生

                     介護保険に係わる公開質問状
                       (次回総選挙に向けて)

「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」は、利用者・その家族・事業者・介護労働者・自治体など多様な立場の個人や団体が参加するネットワーク組織です。
 私たちは、介護保険を持続・発展させるために本状に添付した「3つのビジョン、5つ星の行動目標」を掲げて活動をしております。
さて、このたびは今年中に必ず実施される総選挙に際して投票行動の指針とするため、社会保障制度の重要な一角を占める介護保険について以下の質問を各政党に提出するものです。
 この質問状を受け取られた政党のご回答をお願いいたします。また、来る5月13日に当組織が開催する政策討論会に各政党から代表者お一方にご出席いただきたくお願いいたします。(詳細については、別途事務局が打ち合わせをさせていただきたく存じます。)


なお、この公開質問状は自由民主党、公明党、民主党、日本共産党、社民党、国民新党の介護保険に係わる政策責任者、衆・参両院 厚生労働委員会委員の方々にお送りしています。


以下は、質問内容です。


                                                          2009年4月16日

                                  介護保険を持続・発展させる1000万人の輪

                        介護保険に係わる公開質問


総論的質問
1.貴政党は直近の総選挙に向けて、マニフェストを作成する予定ですか。
  そのマニフェストで「介護保険制度」は独立した項目として取り扱いますか。
2.貴党の「介護のビジョン」をお示しください。その折、日本の社会保障制度の現状は「低福祉・低負担」なのか「低福祉・中負担」なのかなどを示し、言葉の尺度をご定義ください。そして目指す姿をお示しください。
  そして更に、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法などとの関連にも触れてご説明ください。
3.介護保険制度の今後の財源(保険料、公費負担割合、利用料など)について見解を示してください。
4.現行介護保険制度の提供するサービス(1.対象者、2.サービスメニュー)、介護認定基準は、適切かつ十分だとお考えですか。そうではないとお考えの場合、改善すべき項目を挙げご意見を伺わせてください。

各論的質問
1.介護保険では要介護度を7段階に分けています。また、介護報酬体系は加算が複雑に定められています。このような制度の在り方についてご意見を伺わせてください。
2.4月現在問題となっている要介護認定方法の在り方についてのご意見もお聞かせください。
3.介護保険は地方分権を進める上でよき試金石になると期待されてスタートしました。今後、介護保険を運営していく上で、国と自治体、自治体と市民の役割分担を改める必要性がありますか。ご意見を伺わせてください。
4.現在、緊急経済対策として検討されている報酬の見直しで、良質な介護人材の確保と介護職の地位向上が達成されると考えられるでしょうか。また介護人材確保についての政策をお聞かせください。
                                                                    以上

|

介護1000万人の輪のメールマガジンより「要介護認定基準についての要望への回答・説明」

号(3月17日)で《「介護1000万人の輪」の最初の活動が早くも成果をあげた》と書かせていただきました。
NHKの3月17日の報道は、前日厚労省が発出した介護保険最新情報 Vol.66を基にしたものだったことが後日分かりました。通達の内容は http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Simple/kaigo66.pdf
でご確認ください。

「介護1000万人の輪」の「要望書」に対して、本日(3月23日)樋口恵子共同代表が厚労省坂本審議官から説明・回答を受けました。

◆厚労省からの説明要旨

 ・今回の認定の見直しは、方式を変更するものではなく、今後増加する認定の判定の安定性を確保することを目的としたものである。
  一次判定の時間短縮を図ること、増大する認知症への対応で個別判断する必要性への対応が主で、抑止を目的としたものではない。

 ・現場の不安を払拭するために、要介護認定方法の見直しに係る相談体制を整備。専用メールアドレスを解説し、自治体に周知した。(3月19日)

 ・認定調査項目の選択肢の選び方の明確化(確定案)を自治体に送付(3月23日)

 ・厚労省ホームページに利用者向け説明資料を掲載する予定。(3月23日)

 ・告示の官報交付。関係通知の発出。(3月31日)
 ・専用メールアドレスなどで集まる市町村からの疑問・質問に関するQ & A をホームページに掲出する。(4月上旬)

 ・見直しの影響に係る事後検証のため、検証委員会を立ち上げる。(4月下旬)

◆樋口代表の応答要旨

 ・「介護1000万人の輪」の申し入れの一部が早々に反映されたことに謝意。

 ・そもそも要介護認定とは、その人の能力、提供されるサービスの手間、本人のニーズのいずれを見るのか。いくつかの文脈がねじれたまま行われてきて、今回の改定でかえってねじれが深くなっているような印象を持った。

 ・(要望書提出時に、審議官が「介護保険の訴えは、自治体に・・・」と発言されたことを受けて。編集者注)現場では介護は自治事務であるが、分権、分権と声高に言うべきではないと思う。介護保険法は国法で国が国民に約束した制度であることを踏まえて、介護認定の標準化などを推進してくべきではないか。

 ・制度の開始時に、介護の標準は特養を中心としたモデルで作られた。9年を経て在宅介護が施設介護を上回り、かつ実績もあるので在宅の標準も作れるのではないか。現在の認定が同居家族の有無に左右されているのではないかと危惧している。

介護保険の持続・発展のために今後も相互の意見交換が肝要であると確認しつつ、1時間半を超える会談が終わりました。

|

「介護1000万人の輪」の最初の活動が成果をあげました

 「介護1000万人の輪」が3月12日に厚生労働大臣あてに要望書を提出しましたが、3月17日のNHKニュースによると「厚生労働省が調査方法を再度見直し、判定基準の一部を修正する方針を固めた」そうです。早くも成果があげることができました。

 例えば「移動」という項目の場合、寝たきりの人は、そもそも移動の機械がないとして「介助なし」となっていましたが、修正後は全面的に介助が必要な「全介助」と判定することになり、また認知症の人の買物についても、1人で代金を支払うことができるとして「介助なし」となっていましたが、「一部介助」に修正するとの報道内容でした。

 厚生労働省は、今月中に再修正した判定基準を全国の市区町村に通知し、今後も必要に応じて見直すとしているそうです。(市民福祉団体全国協議会 ファックスニュースより)

 

|

「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」が要望書提出 3/12

「平成21年度介護報酬改定」および「要介護認定システム」変更について      

         介護保険を持続・発展させる1000万人の輪
            共同代表 樋口恵子、白澤政和、高見国生

一 平成21年度介護報酬改定について

 今回の介護報酬3%引き上げは、これまでの2回のマイナス改定後、初のプラス改定であり、改定の柱の一つが、介護保険サービスの充実と質の向上を図る介護人材の確保と、介護従事者の処遇改善に重点がおかれていたことについては一定の評価ができる。しかし、この改定により利用者が受ける介護サービスの充実と、事業の活性化による介護職員の処遇改善が行われなければ、介護報酬に税による予算を投入した国民の期待が損なわれるものとなる。
 私たちは今回の改定について、介護保険を持続・発展させる立場から、次のとおり見解を表明するものである。

●3%の改定幅では、これまで2回のマイナス改定による損益の補填にしかならず、しかも改定内容は加算(新加算は40種)が中心であり、全体的な底上げとはなっていないことから、介護従事者の賃金引上げに反映される保証がないことが危惧される。    
●また、改定のたびに介護報酬が複雑になり、利用者・家族、サービス提供者にもわかりにくい仕組みになっていることから、介護報酬体系を見直し、シンプルで透明性のある報酬の仕組みにすべきである。

1.「人材確保・処遇改善」を謳いながらも、加算取得には様々な要件があり、これでは介護従事者の処遇改善に反映される保証はないこと。
2.「地域区分」の報酬単価の上乗せ割合の見直しをしたが、訪問介護では一定の改善が見込まれるが、グループホーム等では逆に都市部で減収になっているなど、大義との不整合があること。
3.報酬アップに伴った支給限度額の引き上げがなかったため、利用者にとっては単価が上がれば受けられるサービスが減る、または利用料の負担増で利用抑制という状況が危惧されること。
4.認知症については、重点柱のひとつとして全体的に配慮され、新しい評価もいくつかみられたが、中・重度への配慮がある一方で、軽度への対応が十分に行われていないこと。
5.加算要件の見直しと新たな加算が設けられたことによって、書類作成や事務に係る負担が増え、過重な労働が発生する恐れがある。介護従事者の負担を軽減し定着を図るためにも、事務手続きや書類の簡素化の検討を再度行うべきである。
6.給付費分科会の議論が「財源論」と「最初に3%ありき」の配分に終始したかのように見られ、24時間365日の在宅ケアを強化する基本的な議論や将来的議論がされず、今後に大きな課題を残していること。
7.介護従事者のなお一層の処遇改善に結びつけるためには、全体的な基本報酬の引き上げを早急に検討すべきである。

二 「要介護認定システム」変更について

●21年4月から変更される要介護認定の仕組みについては、多くの要介護高齢者がサービス給付から外されるという危惧がある。変更については充分な国民への説明責任をまず果たされ、国民が納得しうるまで一旦、凍結するよう求める。
●次回、制度改正の際には、介護保険を国民にわかりやすい仕組みにするために、認定方法の再検討と、家族同居の有無や介護力にかかわらず本人の状態により個人単位で自立支援のサービスが受けられるよう、認定のしくみや、認定のスピード化と透明性を図られたい。
 
1.厚生労働省資料によれば、モデル事業では現行ソフトと新ソフトを使った1次判定結果の一致率は57.6%であり、軽度に下がったものが19.8%、重度に判定されたものが22.6%、2次判定でも一致率は63.2%であり、軽度化は20.1%、重度化は16.7%とされているが、この結果、新ソフトの妥当性、信頼性はどのように検証されているのかについて、国民への説明が必要であり、情報を公開すべきである。
2.認定にかかわる「調査員テキスト」の「介護の判断基準」は今回、大きく変更され、3つの評価軸として「能力」「介助」「有無」のどれかを利用するとされている。しかしこれが、「介護の手間にかかる時間」を正確に反映するものになっているかという疑問も出されている。また、認知症が正しく反映されず、人間本来の尊厳を否定するような文言の部分も多いという現場の声もある。これらを見直すこともふくめ、新ソフトの4月からの使用をいったん凍結されたい。
3.新しい基準で認定が難しくなったり、新しい判断基準で軽度認定に拍車がかかれば、サービス利用への抑制がかかり、介護保険が本来有している利用者の権利性の発揮が損なわれることになる。
三 今後の活動計画:【3つのビジョン、5つ星の行動目標】
 「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」では、市民・利用者/家族・事業者・介護従事者・学識経験者・行政担当者などが一体となって、介護保険をよくするために、介護を社会の柱に据えるために、【3つのビジョンと5つ星の行動目標】を持って活動を展開していく所存である。
多くの皆様がこの活動に参加し、ともに行動していただけることを期待している。

●介護認定基準の変更凍結を 厚労省に団体要望
 (共同、3月12日)
 http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009031201000733.html

●要望書:「介護」改善で舛添厚労相あてに
 (毎日、3月13日)
 http://mainichi.jp/life/today/news/20090313ddm041040061000c.html

|

介護保険を持続・発展させる1000万人の輪 ビジョンと目標

 介護保険を持続・発展させる1000万人の輪の3つのビジョンと5つ星の行動目標が発表になりました。

3つのビジョン

1.介護保険は人生100年のセーフティネット。機能強化をすすめよう。

2.介護保険から始めよう、地方分権・参画型デモクラシー。

3.地球まるごと、高齢化時代。人間の命を守る介護の質を高め、超高齢国日本から世界に発信しよう。

5つ星の行動目標

1.わかりやすくシンプルな制度に

  利用者である高齢者が理解し、自ら選択できる制度に。現状は複雑すぎます。

2.利用者・市民の声が反映できる仕組みを明確に

  「1000万人の輪」では現場の声をもとに研究をすすめ提言します。当事者の思いがつねに伝わり、反映できる制度を求めます」

3.ひとりぐらし、低所得者、老老、認認介護の増加。利用者側の変化に応じた切れ目のないサービス提供と費用負担

 日本の人口構造・世帯構造は急変しています。変化に対応したサービスと費用負担のあり方が必要です。介護格差をひろげてはなりません。

4.良質な介護人材の確保と介護職の地位向上、専門職間の連携強化

 介護はあくまでも、人間が人間に対する営みです。介護する人が幸せでなければ介護させる人も幸せにはなりません。

5.介護を軸とした新しい地域の創生

 自助・協助・公助、医療と福祉の連携、企業の協力、学校などの社会資源を活用し、世代間交流をすすめ、あらゆる世代のしあわせを支える地域ルネッサンス。

|

介護保険を持続・発展させる1000万人の輪 設立総会

12月21日(日)、東京の田町駅近くの「女性と仕事の未来館ホール」で介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」の設立総会がありました。

1000mannowa2  社会保障審議会介護給付分科会に利用者の立場から委員となられている沖藤典子さんと民間介護事業者を代表して委員になられている稲葉さんから、分科会での議論の様子などの報告がありました。

介護報酬3%アップは、天から降ってきた数字で、いろいろなものの積み上げではない。どうして3%なのか、その説明がない。全国で集められた介護報酬アップの300万の署名がどう活かさせているのかさっぱり見えない、と。

 必ずしもお二人の意見は同じではなく、稲葉さんは「訪問介護の中では非常勤の職員も多く、優秀な人材もいる。働き方の多様化に合わせて、サービス提供責任者は非常勤でもいいと考えている」という発言に対し、「利用者側からすると、待遇な保障されていない人に責任のある仕事をしてもらうとなると安心できないから、反対している」と話されていました。

このあと運営委員の発表があり、その後は田中尚輝さん(市民協専務理事)が司会をし、勝田登志子さん(認知症の人と家族の会副代表)、白澤政和さん(大阪市立大学院教授)、樋口恵子さんの4人で「介護保険制度をどう変えるか」とい鼎談がありました。

1000mannowa1 写真は運営委員の皆さん

鼎談の中で、白澤教授からは3%アップに関して、4つの課題が挙げられました。

1つ、なぜ3%か。2つ、介護職の報酬アップに本当につながるのか。情報公表制度のなかに賃金割合を入れるなどして、公表すべきではないか。3つ、加算が多すぎる。事業者が加算を取るためだけに動くようになるのではないか。加算のせいで複雑な仕組みになりすぎている。4つ、地域差議論は行われているが、それだけでいいのか。大きな事業所よりも小さな事業所運営が苦しい。スケールメリットがいわれるが、地域から生まれたコミュニティビジネスやボランティアが事業に参入できる仕組みをつくることも必要ではないか。地域に密着して活動していくには、「小さいことがいいこと」だという考えがあってもいい。

勝田さんからは、「認知症の家族のアンケートから介護従事者の待遇改善をしてほしいという声が上がっている。介護従事者の待遇改善は利用者の要望でもある。また、介護報酬を3%アップさせるのなら、利用限度額もあげてほしい。限度額が上がらないと量の不足がおこる。この話をするとすぐに、限度額まで使う人は少ないから枠は余っていると反論されるが、お金がなくてサービスを利用できない人も大勢いる。お金のある人もない人も同じ金額ではなく、応能負担にしてほしい。税負担をもっと増やしてほしい。」

これらの議論のあと、さらに白澤教授から4つの提言がありました。

1、lifeということばには命と生活という意味がある。介護保険は生活を支える保険であり、医療保険は命を支える保険であるが、最近は医療保険に介護保険が組み込まれた感がある。生活を支える保険に作り直したい。

2、消費税が介護保険に廻ることの担保がほしい。保険料と税の割合を考え、お金のある人からはもっと保険料をもらってもいいのではないか。

3、しかし、介護保険制度だけでは賄えない。地域の支えあいをどうつくっていくか。

4、いろいろな審議会があるが、審議会に利用者の声が届かない。1000万人の輪が利用者の声を届けていく仕組みをつくることが大事。事業者と利用者がいっしょになって提案していく仕組みもこの会でつくれれば。

樋口恵子さんは、「lifeには人生という意味もある。介護のために仕事を辞める人が昨年からまた増えてきている。これは障がい者の親もおなじ。障害の子をもつ母親が『私も厚生年金がほしかった』とポツリといったが、介護を必要な人をもつと厚生年金手帳をもらうことができない。仕事をすることができないなど、自分の人生を捨てなければならない介護者をなくさなくてはいけない。」

会場から「賃金の問題は低いことよりも、上がっていかないことの問題が大きい。このことが若者の介護職離れを生んでいる」と発言があれば、樋口さんからさらに「ヘルパーのほとんどが50代60代。家族介護だけではなく、このままだと社会介護までが老老介護となりかねない。」と問題提起された。

1000万人の輪は、継続的な活動ではなく、2011年度の改定に向けて利用者も事業者も地域で活動する様々な人が、違いを乗り越えて連携していく活動でです。樋口さんはまた新たに「一端接着主義」ということばを作られました。連携していくために、どこか1ヶ所つながっていればいい。いろいろなところが1ヶ所つながっている団体が集まれば大きな力になると。

ここに書いたことは、当日の話を聞き取ったものです。完全なものではありません。細かいところなど、聞き間違いがあるかもしれませんが、参加してみてとても参考になる意見だと思ったので紹介しました。松川(1000万人の輪、賛同人)

|

介護保険を持続・発展させる1000万人の輪 設立総会 プログラム

設立総会

《日 時》 2008 年12 月21 日(日)13:00 ~ 14:30
《場 所》 女性と仕事の未来館 ホール 港区芝5-35-3 Tel:03-5444-4151

《プログラム(予定)》
1.同代表対談
   樋口恵子(高齢社会をよくする女性の会理事長)
   白澤政和(大阪市立大学大学院教授)

2.社会保障審議会介護給付費分科会委員による「介護給付費分科会の近況」
   沖藤典子氏(作家、高齢社会をよくする女性の会副理事長)
   稲葉雅之氏(民間介護事業推進委員会代表委員)
3.設立総会:事業計画、役員、規約などの決定

《参加費》 300 円
※ただし、「介護1000 万人の輪」呼びかけ人登録者(個人登録のみ)は無料とさせていただきますので、「介護1000 万人の輪」専用受付にお申し出ください。)

《参加申込》
介護1000 万人の輪事務局宛てに下記項目を記載の上お申し込みください。定員になり次第締め切らせていただきます。

|

介護1000万人の輪の呼びかけ人になりませんか!!

            設立趣意書

 介護保険創設から8年、走りながら考えるという厚労省のことばは、官民協力して順次よりより制度に改善されるという期待をもたせました。しかし、現実は制度改正のたびに介護保険が利用者・家族・国民の手から遠のき、わかりにくく利用しづらくなった感があります。とくに二度にわたる介護報酬引き下げの結果は介護労働力不足となってあらわれ、介護保険制度は人材面から崩壊の危機に直面しています。介護保険創設について、1996年「介護の社会化を進める1万人市民委員会((略称:1万人市民委員会)」が創設され、市民の立場から推進してきました。今、ふたたび利用者・家族・事業者・働く人々・専門家など広範な市民が手を携えて、国民の共有資源であるかいご保険制度をたて直す必要に迫られています。それができなかったら、私たちは安心して老いることも、死ぬこともできません。

 介護保険制度のたて直しをめぐって、それぞれの団体が数多く政策提言を行っています。それはもちろん重要な行動ですが、同時にこの際、できるだめ多くの立場の知恵を力を結集し、国民的運動を起こす時期だと考えております。

 おりしも、社会保障審議会介護給付費分科会では今年中に答申をまとめようと審議を開始しています。この際広く国民の側から介護保険制度を持続・発展させるための提案を行うため、利用者・事業者・労働者・自治体など多様な立場の団体・個人が協力して、国民の側から政策決定に参画するネットワークを作ることを提案いたします。

 「1千万人」という数字の根拠は、介護保険サービス利用者約400万人、家族の1人を代表として400万、介護従事者100万以上、事業者・専門家を合わせれば、1000万人というのは少しも大げさではありません。有権者の1割を占める国民の声がまとめれば、必ず財源を含めて、信頼に足る社会保障に打ちたて、利用者の視点に立った持続可能な介護保険制度を再構築できると確信します。どうぞ呼びかけ人としてご参画くださいますようお願い申し上げます。

                         2008年10月3日

 「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」設立準備会 

                 代表よびかけ人  樋口 恵子

|