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2009年3月

介護1000万人の輪のメールマガジンより「要介護認定基準についての要望への回答・説明」

号(3月17日)で《「介護1000万人の輪」の最初の活動が早くも成果をあげた》と書かせていただきました。
NHKの3月17日の報道は、前日厚労省が発出した介護保険最新情報 Vol.66を基にしたものだったことが後日分かりました。通達の内容は http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Simple/kaigo66.pdf
でご確認ください。

「介護1000万人の輪」の「要望書」に対して、本日(3月23日)樋口恵子共同代表が厚労省坂本審議官から説明・回答を受けました。

◆厚労省からの説明要旨

 ・今回の認定の見直しは、方式を変更するものではなく、今後増加する認定の判定の安定性を確保することを目的としたものである。
  一次判定の時間短縮を図ること、増大する認知症への対応で個別判断する必要性への対応が主で、抑止を目的としたものではない。

 ・現場の不安を払拭するために、要介護認定方法の見直しに係る相談体制を整備。専用メールアドレスを解説し、自治体に周知した。(3月19日)

 ・認定調査項目の選択肢の選び方の明確化(確定案)を自治体に送付(3月23日)

 ・厚労省ホームページに利用者向け説明資料を掲載する予定。(3月23日)

 ・告示の官報交付。関係通知の発出。(3月31日)
 ・専用メールアドレスなどで集まる市町村からの疑問・質問に関するQ & A をホームページに掲出する。(4月上旬)

 ・見直しの影響に係る事後検証のため、検証委員会を立ち上げる。(4月下旬)

◆樋口代表の応答要旨

 ・「介護1000万人の輪」の申し入れの一部が早々に反映されたことに謝意。

 ・そもそも要介護認定とは、その人の能力、提供されるサービスの手間、本人のニーズのいずれを見るのか。いくつかの文脈がねじれたまま行われてきて、今回の改定でかえってねじれが深くなっているような印象を持った。

 ・(要望書提出時に、審議官が「介護保険の訴えは、自治体に・・・」と発言されたことを受けて。編集者注)現場では介護は自治事務であるが、分権、分権と声高に言うべきではないと思う。介護保険法は国法で国が国民に約束した制度であることを踏まえて、介護認定の標準化などを推進してくべきではないか。

 ・制度の開始時に、介護の標準は特養を中心としたモデルで作られた。9年を経て在宅介護が施設介護を上回り、かつ実績もあるので在宅の標準も作れるのではないか。現在の認定が同居家族の有無に左右されているのではないかと危惧している。

介護保険の持続・発展のために今後も相互の意見交換が肝要であると確認しつつ、1時間半を超える会談が終わりました。

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「『静養たまゆら』の火災事故について の声明」宅老所を全国に広める会運営委員会

市民協が事務局を務める「宅老所を全国に広める会」から、群馬県でおきた「静養たまゆら」の火災事故に関する声明が届いたので、掲載します。

 群馬県の高齢者向け住宅「静養たまゆら」(NPO法人彩経会)において3月19日夜におきた火災において死者が10人にもなり、重軽傷者、行方不明者がおり、まだ被害が拡大すると思われる。この事件の被害者になられた方々に「宅老所を全国に広める会」は深く哀悼の意を表する。

 この火災をこれまでの大事故にした直接の原因は、施設運営側にあり、いかなる言い逃れもできない。また、その経営をNPO法人が行っているが、本来のNPO法人の場合に、このような杜撰な経営・運営をしていくことは考えられない。この件については、認証責任のある当局はもとよりNPO自身も調査し、今後類似の事件がNPO法人としておこらないように対処しなければならない。

 「宅老所を全国に広める会」としては、火災を発生させないための処置や避難訓練などについてできるかぎりの対応をするようにする。

 また、この事件が深刻なのは、都内の墨田区などによる棄民政策として「静養たまゆら」が利用されており、行政責任が極めて重大でなことである。原理的な課題は、当事者が住みなれた地域で住み続けられるような福祉・介護政策に行政が責任をもっていないということである。この点に関して、宅老所は認知症になっても住み慣れた地域で暮らせる有効なツールであり、より一層、発展させていかなければならない。

 今回の事件について、私たちの「宅老所を全国に広める会」は、次の点を確認しておきたい。宅老所は高齢者の「お泊り」ができる機能をもっており、火災事故などをおこさない万全の注意が必要である。しかし、いま、有料老人ホームの申請をするように当局からの圧力を受けており、この火災事故によってより指導が強化される可能性があるが、これは拒否する。「静養たまゆら」と宅老所は次の点において決定的に相違する。

①「静養たまゆら」は明確に入居施設であり、居宅として機能しており、明確に「有料老人ホーム」である。これに対して、宅老所は「お泊り」はするが、入居施設・居宅ではない。

②「静養たまゆら」は、行政の管理範囲にはいることを拒否し、また、地域社会からも隔絶し、高齢者の「収容所」として機能した。これに対して、宅老所は地域社会に開放され「地域の居場所」の機能を果たしており、また、その多くは介護保険上のデイサービス(10人程度)を実施しており、行政の指導を随時受けている。

③「静養たまゆら」は40人もの大勢の人々の入居施設であるが、宅老所は数人のお泊りがある家庭の延長の空間である。

以上のことから、「静養たまゆら」の犠牲者に哀悼の意を表し、私たちも火災事故を起こさない決意をするとともに、これに乗じての当局の宅老所への有料老人ホーム申請の圧力に反対する。以上、声明する。

   宅老所を全国に広める会 座長 西田京子
  事務局:NPO法人市民福祉団体全国協議会
〒105-0011東京都港区芝公園2-6-8 日本女子会館

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「介護1000万人の輪」の最初の活動が成果をあげました

 「介護1000万人の輪」が3月12日に厚生労働大臣あてに要望書を提出しましたが、3月17日のNHKニュースによると「厚生労働省が調査方法を再度見直し、判定基準の一部を修正する方針を固めた」そうです。早くも成果があげることができました。

 例えば「移動」という項目の場合、寝たきりの人は、そもそも移動の機械がないとして「介助なし」となっていましたが、修正後は全面的に介助が必要な「全介助」と判定することになり、また認知症の人の買物についても、1人で代金を支払うことができるとして「介助なし」となっていましたが、「一部介助」に修正するとの報道内容でした。

 厚生労働省は、今月中に再修正した判定基準を全国の市区町村に通知し、今後も必要に応じて見直すとしているそうです。(市民福祉団体全国協議会 ファックスニュースより)

 

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会計学習会「NPO法人における決算とは」開催しました3/12

 3月12日に「NPO法人における決算とは」をテーマに会計学習会を開催しました。講師は多くのNPO法人の会計業務をしている経理ワーカーズ・コレクティブあれんじの島田洋子さん。

 今回の学習会の対象者は、NPO法人格で介護保険事業をしている団体です。            

 介護保険事業をしている法人の形態は多くありますが、会計が広く都道府県のホームページで公開されるのはNPO法人だけです。この公開が参加を広げる上でとても重要なことです。

 一方、特定非営利活動法人は阪神淡路大震災の際のボランティア活動から生まれたものですから、多くのNPOはボランティアなど収益のあがらない活動を中心に行っているため、税金を支払う団体は多くはありません。しかし、介護保険事業はNPO法人が行っても収益事業ですから、確定申告をして、税金を納める義務があります。

 さらに、NPO法人は6月末までに県に事業報告書や収支計算書を提出し、それがホームページで公開されます。ややこしいのは、県に提出する決算書は、日常使っている「損益計算書」ではなく、「収支計算書」です。

 介護保険事業をしているNPO法人ならでは会計の共通課題についても学習しました。

 はじめに、活動を振り返り、来年度の方針を立てるための指標である「貸借対照表」について学びました。本来は毎月「貸借対照表」を作成し、確認することが大事ですが、それができなければ半年に1回、年度の半ばに中間監査を行い、どれくらいの財産を保有していて、このままだといくらくらい年度末に税金を支払うことになるのかを予測することが大事です。この予測が節税につながります。税金を納めることは大切ですが、必要な経費も我慢して税金を納める必要はないでしょう。

 日常的には損益計算書と貸借対照表で活動を振り返り、来年度の計画の指標とします。

  収支計算書は現金・預金の流れを見るため、預り金も立替金も借入金も動いたお金はすべて記載しますが、未払い金・未収金などお金の動きがないものは記載しません。収支報告書が正しいかどうかは、収支差額が財産目録や貸借対照表の「現預金」の合計と同じになればいいそうです。

  来年度は、介護保険事業をしているNPO法人対象の系統だった会計学習会の開催を検討していきます。
 

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「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」が要望書提出 3/12

「平成21年度介護報酬改定」および「要介護認定システム」変更について      

         介護保険を持続・発展させる1000万人の輪
            共同代表 樋口恵子、白澤政和、高見国生

一 平成21年度介護報酬改定について

 今回の介護報酬3%引き上げは、これまでの2回のマイナス改定後、初のプラス改定であり、改定の柱の一つが、介護保険サービスの充実と質の向上を図る介護人材の確保と、介護従事者の処遇改善に重点がおかれていたことについては一定の評価ができる。しかし、この改定により利用者が受ける介護サービスの充実と、事業の活性化による介護職員の処遇改善が行われなければ、介護報酬に税による予算を投入した国民の期待が損なわれるものとなる。
 私たちは今回の改定について、介護保険を持続・発展させる立場から、次のとおり見解を表明するものである。

●3%の改定幅では、これまで2回のマイナス改定による損益の補填にしかならず、しかも改定内容は加算(新加算は40種)が中心であり、全体的な底上げとはなっていないことから、介護従事者の賃金引上げに反映される保証がないことが危惧される。    
●また、改定のたびに介護報酬が複雑になり、利用者・家族、サービス提供者にもわかりにくい仕組みになっていることから、介護報酬体系を見直し、シンプルで透明性のある報酬の仕組みにすべきである。

1.「人材確保・処遇改善」を謳いながらも、加算取得には様々な要件があり、これでは介護従事者の処遇改善に反映される保証はないこと。
2.「地域区分」の報酬単価の上乗せ割合の見直しをしたが、訪問介護では一定の改善が見込まれるが、グループホーム等では逆に都市部で減収になっているなど、大義との不整合があること。
3.報酬アップに伴った支給限度額の引き上げがなかったため、利用者にとっては単価が上がれば受けられるサービスが減る、または利用料の負担増で利用抑制という状況が危惧されること。
4.認知症については、重点柱のひとつとして全体的に配慮され、新しい評価もいくつかみられたが、中・重度への配慮がある一方で、軽度への対応が十分に行われていないこと。
5.加算要件の見直しと新たな加算が設けられたことによって、書類作成や事務に係る負担が増え、過重な労働が発生する恐れがある。介護従事者の負担を軽減し定着を図るためにも、事務手続きや書類の簡素化の検討を再度行うべきである。
6.給付費分科会の議論が「財源論」と「最初に3%ありき」の配分に終始したかのように見られ、24時間365日の在宅ケアを強化する基本的な議論や将来的議論がされず、今後に大きな課題を残していること。
7.介護従事者のなお一層の処遇改善に結びつけるためには、全体的な基本報酬の引き上げを早急に検討すべきである。

二 「要介護認定システム」変更について

●21年4月から変更される要介護認定の仕組みについては、多くの要介護高齢者がサービス給付から外されるという危惧がある。変更については充分な国民への説明責任をまず果たされ、国民が納得しうるまで一旦、凍結するよう求める。
●次回、制度改正の際には、介護保険を国民にわかりやすい仕組みにするために、認定方法の再検討と、家族同居の有無や介護力にかかわらず本人の状態により個人単位で自立支援のサービスが受けられるよう、認定のしくみや、認定のスピード化と透明性を図られたい。
 
1.厚生労働省資料によれば、モデル事業では現行ソフトと新ソフトを使った1次判定結果の一致率は57.6%であり、軽度に下がったものが19.8%、重度に判定されたものが22.6%、2次判定でも一致率は63.2%であり、軽度化は20.1%、重度化は16.7%とされているが、この結果、新ソフトの妥当性、信頼性はどのように検証されているのかについて、国民への説明が必要であり、情報を公開すべきである。
2.認定にかかわる「調査員テキスト」の「介護の判断基準」は今回、大きく変更され、3つの評価軸として「能力」「介助」「有無」のどれかを利用するとされている。しかしこれが、「介護の手間にかかる時間」を正確に反映するものになっているかという疑問も出されている。また、認知症が正しく反映されず、人間本来の尊厳を否定するような文言の部分も多いという現場の声もある。これらを見直すこともふくめ、新ソフトの4月からの使用をいったん凍結されたい。
3.新しい基準で認定が難しくなったり、新しい判断基準で軽度認定に拍車がかかれば、サービス利用への抑制がかかり、介護保険が本来有している利用者の権利性の発揮が損なわれることになる。
三 今後の活動計画:【3つのビジョン、5つ星の行動目標】
 「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」では、市民・利用者/家族・事業者・介護従事者・学識経験者・行政担当者などが一体となって、介護保険をよくするために、介護を社会の柱に据えるために、【3つのビジョンと5つ星の行動目標】を持って活動を展開していく所存である。
多くの皆様がこの活動に参加し、ともに行動していただけることを期待している。

●介護認定基準の変更凍結を 厚労省に団体要望
 (共同、3月12日)
 http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009031201000733.html

●要望書:「介護」改善で舛添厚労相あてに
 (毎日、3月13日)
 http://mainichi.jp/life/today/news/20090313ddm041040061000c.html

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宅老所の問題が3月11日のスーパーモーニングで取り上げられます

宅老所問題ネットワークの事務局の市民協からのお知らせです。

宅老所問題」がテレビ朝日系スーパーモーニングで放映
3月11日朝8:50 位から(予定)

「宅老所」は人々が必要に応じて作り出しだした制度(デイサービス)とたすけあい(お泊りなど)を組み合わせたユニークなサービスであり、今後の発展が望まれます。この件についてのテレビ放映が、テレビ朝日系で3 月11 日8:50程度から放映の予定です。時間については、あくまで予定ですが、ぜひ、時間を割いて見てください。

 宅老所は、06 年の「老人福祉法」の改正によって、1 人でも「居宅」+介護サービスの人間がいる場合には、「有料老人ホーム」の認定を受けるようにという行政指導がされています。
 「有料老人ホーム」にすれば、広さ(部屋と廊下など)についての規定、職員のとまり勤務の配置、スプリンクラーの設置などの網の中にはいってしまいます。
 現状の宅老所は、普通の家をそのままつかっており、また、きわめて小規模で行っているために、この有料老人ホームの規定を受けいれてしまうと廃業やむなし、のところが続出してきます。行政は法律論だけではなく、現場をしるべきです。

 そこで、市民協に事務局を置き「宅老所を全国に広める会」(座長:西田 京子)を昨秋設立しました。このテレビ番組は、この問題に真正面から取り組んだもので、番組の中には「たすけあい佐賀」や「NPO 法人在宅福祉サービスさわやかさかい」(福井:理事長
定永 嘉代子)などが登場するはずです。ぜひご覧ください。

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